限界社会人のヅカ日記

一人ちまちま書いていた宝塚の観劇記録を世に垂れ流してみようと思い立ちました

【王家に捧ぐ歌】配信を観た感想〜ケペル様と呼ばせてください〜

 

星組【王家に捧ぐ歌】の配信を観ました。

なんの因果か、今の状況にぴたりとハマる演目で、とても心揺さぶられました

 

今回は特に印象深かったケペルアイーダ、そして木村先生の新解釈を軸に感想を書きたいと思います

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【ケペル様と呼ばせてください】

役が発表された時、戦慄した人も多かったのではと思います。

実際私もその一人でした。

ピーキューシオを観てからというもの

ぴーすけの目線の使い方や娘役さんに見せるバチクソキュートな笑顔、どこまでも綺麗な踊り方にがっつり魅了されており

「王家ではきっと2番手ポジのウバルドを演じるんだろうな〜ワクワクワクワク」

と思っていたので、配役を観た時は膝から崩れ落ちました。

 

ですが結論から言うと

ケペル最高!!配役天才!!!ケペルスターアングルください!!!!!!!!

というところに収まりました。

 

もうね、ケペルは天華えまにしかできなかったと思います。

 

セリフ多くない&ピンで映るわけでもない

なのに葛藤や心の機微が全部伝わる

お芝居が繊細で表情作りが上手いんでしょうね

 

ラダメスがエチオピアを解放してほしいと言った時の動揺から、天寿神官様がエチオピア人とはそもそも生まれが違うと断言したあとの「そう…そうだよな…間違ってないよな」と、染み付いた考え方を持ち直したかのような表情まで。

非っっっ常に芸が細かい!

 

さらに2幕終盤、ラダメスが牢に放り込まれ、せり下がっていく場面では、ケペルさんまさかの客席に背を向けている!!!しかもその背中が小刻みに震えてる!!!!!

もはや演技じゃないのでは?と思わせるほどリアルなお芝居に、滝のように涙が出ました

 

エチオピア人に対してはこれでもかというほど冷酷な目!そして蹴りと踏みと刺し!

まさに虫ケラ扱いでしたね。素敵です。

 

見せ場の凱旋ダンス

ぴーすけって他の人の8倍くらい関節柔らかいんですかね?しなやかさが人の形をして踊ってる感じでした

つま先上げても全くブレない体幹とか

ポーズをキメてなくても全ての瞬間が絵になるところとか、いちいち素敵でした

 

そうそう、忘れちゃいけない

ビジュアルのことです

もう日常的に金髪ロングお団子ハーフアップにしてくれませんか

と言うほどお似合いでした

スチール出た時からこりゃとんでもねえと思っていたけれど、フィナーレで階段を降りてくる姿を見たら衝撃で吹っ飛びそうになりました

明日で終わってしまうなんて悲しい!!!!

 

アイーダの信念】

なこちゃんが歌う「アイーダの信念」が一番心に残っています

アイーダみたいに視野の広さを持つことって難しいですよね

生きること、死ぬことを戦場でしか学べなかったケペルたちエジプト兵たちがそうであったように

思考は、環境によって制限されると私は思います

価値観と言い換えても良いかもしれません。

それは良くも悪くも周りの人や身を置く状況によって徐々に形成されていきます。

 

だからこそ

自分がいる場所から一歩引いて自由に世界を見渡せる

そして自分自身の価値判断基準を作ることができるアイーダは素晴らしいなと。

 

祖国の人々や家族にどれだけ否定され孤独になろうとも

「戦いは新たな戦いを生むだけ」

その考え方をブレずに持ち続けたアイーダ

 

見習いたいです

 

 

【木村先生の新解釈】

賛否両論あった王家の新解釈

私はすきでした。

 

まず「未来の可能性は無限大なんだから演出はどんどん変えるべき」(プログラム意訳)というスタンスのもと自分で作ったものをぶっ壊して新しく作り変える木村先生めっちゃかっこええ。

 

衣装が変わって

ゴスペル歌手的なアイーダもかわいいし

ラダメスも雄々しくて素敵。

ケペル・メレルカは言わずもがな。

アムネリス様は1人キラッキラしててさすがファラオの娘。

ウバルド極美も出てきた瞬間からイケメンすぎて新衣装最高〜!と思いました

 

 

シェイクスピアの研究していて思ったんですけど

あのシェイクスピアの作品でさえこねくり回され、その時代に合わせたスタイルで上演されてきて、

それでも原作の良さは損なわれずに残っているわけです

作品の核となるメッセージが変わらなければ

ロミオが白タイツからマウンテンパーカーになろうがどうでもいいと思ったんでしょうかね先人たちは

面白いですよね

 

宝塚もこれからも進化を続けていくと思いますが

きっと核となる部分は変わらずに存在し続けてくれるのだと思います

 

それなら演目の変化を楽しむのもまた一興ですな

 

 

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最後まで読んでくださってありがとうございます!

ケペル様最高〜!

 

【夢千鳥】って最高だよね

 

「多くの女を弄ぶものは つひに一人の
  女をも心をも知らず  夢二」

 

弥生美術館で夢二の作品の展示を観た時

なんだか心に残った言葉です

 

 

まさに多くの女を弄ぶタチの悪い男

でも、こうやってふとした瞬間に

弱さや儚さを見せる

 

 

 

…いや、沼〜〜〜〜!!!!

 

 

全く罪な男ですね。

しかもそれを和希そらが演じちゃうんだから、ヅカオタは虫の息でしょうね。

 

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今回は【夢千鳥】って最高だよねってことをつらつらと書きたいと思います。

 

具体的にどこが最高なのか

箇条書きにするとこうなります。

⇩  ⇩  ⇩

  1. 和希そらの色気
  2. 和希そらの色気
  3. 和希そらの色気
  4. 栗田先生の天才的なバランス感覚
  5. 美しすぎる日本語

 

 

【和希そらの色気】

がとんでもないってことは

言うまでもありませんね

見りゃわかります。

 

youtu.be

 

私は特に

「この小鳥は綺麗な音色で囀るだろうね」

のそらぴが好きです

 

ハスキーなイケボ+しなだれる前髪+顎のライン

フルコンボで畳み掛けられ

命の危険を感じました。

 

 

【栗田先生の天才的なバランス感覚】

 

「宝塚らしい」

という言葉にはさまざまな解釈があると思いますが

そのうちの一つとして

 

主演男役と娘役が結ばれるorなんらかの形で愛し合う

 

的な展開のことを指すのではないでしょうか。

 

夢二の物語は決して「宝塚らしい」愛に溢れたハッピーエンドではありません。

そもそもあんなプレイボーイがほのぼのした結末に収まるかってんですよ

 

しかし栗田先生は白澤監督という

もう一人の登場人物と重ね合わせることで

ファンが「これこれ!」と納得できる

「宝塚らしい」エンディングに持っていきます。

 

(エンディングでバックハグしながら

「暖めてるんだ」

「おかしな人(エンジェルスマイルみねり)」

つっていちゃこらしてるのは白澤さんですしね。)

 

白澤監督の物語として終わるからこそ

我々は宝塚の真骨頂

「愛」で終わる演目を観たという

気分になるんでしょうねえ

 

 

とはいえ、演出の栗田先生。

竹久夢二という存在がすみれコードみたいな人物を主役に据えて、斬新な演出を次々かましてくる

 

夢二のDVの末

他万喜が持っていた座布団を引き裂いて

赤い羽根が飛ぶ場面は圧巻です

 

(そういえば、実際に夢二は口論の末、

他万喜の腕を刺してしまったことがあるらしいです。

赤い羽根はそのときの他万喜の血を模しているんですかね?)

 

宝塚の伝統を重んじつつ

またそれをぶっ壊して新しい風を入れる

 

栗田先生の天才的なバランス感覚に乾杯

これが初演出作品ってマジ?)

 

 

【美しい日本語】

 

ルイマキセくん演じる恩地孝四郎

彼が歌う「出帆」の歌詞が本当に素敵。

そらぴが泣いちゃうのも納得です

(ルイマキセくんの歌上手すぎる)

 

「鮮やかな記憶並べ

  涙で絵の具を溶いて

   今こそ 描くとき」

 

今まで聞いた中で一番美しい日本語ですわ

 

夢二が描く美人画は、夢二自身の恋の記憶です

そこには

めっちゃ好きなのにDVしちゃって浮気されたり

めっちゃ好きなのに常識的かつ厳格な

恋人のオトンに引き裂かれて死に目に会えなかったり…

 

そんな切ない瞬間がたくさんあって

1リットルどころではない涙を流したことでしょう

 

「夢二が絵を描く」という行為そのものを

ぐぐっとこの美しい言葉に落とし込むなんて……

 

はぁ~崇め奉りたい

栗田優香の「美しい日本語講座」とかあったらぜひ受講したいものです

 

さらにこの歌詞には恩地くんの夢二へのコンプレックスもほのかに感じられ、余計に切ない!

 

 

やっぱ夢千鳥って素晴らしいですね

 

残念ながら上演期間は本当に僅かでしたが、

間違いなく和希そらさんの、そして栗田優香先生の

代表作になりましたよね。泣き泣き。

 

 

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今回は大好きな【夢千鳥】について書いてみました

 

なんかまだ全然書き足りないので

また書くと思います

 

拙い文章ですが最後まで読んでくださり

ありがとうございました!

 

 

【恋は突然に】私が柚香光さんに落ちた瞬間

【恋は突然に】

なんて誰が言いだしたんでしょうね。

ロマンティックだけど、現実離れしててちょっとアホっぽい感じさえします。

 

 

 

大学一年、秋。

授業にも慣れ

うまくサボる術を身に着けつつあった私は

いつもと同じように友達とお昼を食べた後

クソねむ三限授業に向かいました。

 

 

うつらうつらしながら

スクリーンに映し出された資料映像を見ていたとき

ありえんほどの衝撃波を浴びて

眠気が吹っ飛びました。

 

 

 

なんと

体の半分が脚&ツリ目イケメンという

天から二物も三物も与えられたような人がいたんです。


「天、与えすぎじゃね?」

と言いたくなるほどのかっこよさに目を疑いました。



そう、その方の名は 柚香光さん。

 

 

まさに【恋は突然に】やってきました。

誰ですか?この言葉を最初に生み出した人は。

核心を突きまくってるので賞賛の拍手を送ります。(手のひら返し)

 

 

授業でかかっていた映像は

エリザベート-愛と死の輪舞-』

2014年の花組公演です。

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「えっっっっっ!かっこよすぎ!心臓が痛い!!!!!!やだ、なにこの人!!多分人類で一番顔が良い!!!!だっっダンスがなんか、、、他の人と違う!!!!」

 

私は脳内大パニック状態。

隣で寝ている友達を叩き起こして

「宝塚に、絶世のイケメンがいた」とマジ顔で囁きました。

 

 

 

演目の終盤

エンジェルスマイル

大階段を下りてくる柚香さんを見たときに

「あ、落ちたわ」と思いました。

 

これが私が柚香光さんの沼に落ち

ヅカオタ街道を練り歩くようになったきっかけです。

 

 

 

 

そうそう、言い忘れてました。

 

私が見てたのは役代わり公演で

柚香さんはハンガリーの革命家・ジュラの役だったんです。

 

 

いやルドルフじゃないんかーーーーい

 

 

言ったらあれですけど

ジュラはルドルフや他のメインキャラクターに比べたら影のうっすい役だったんです。

 

だけど、何度見ても柚香さんに目が行く。

どんなに端っこにいても、見切れてても、目が吸い寄せられるんですよ。

ダイソンもびっくりの吸引力。

(未来の)トップスターってすっげえなあ。。。

 

 

 

きっとヅカオタの皆さんは、同じような経験があるのではないでしょうか?

むしろ「まだご贔屓に出会っていないわ」という方は、ご注意ください。

【恋は突然に】襲いかかってきますので。